アニーとジャック

タタミ王国物語


 − アニーとジャック −

「ジャック、ジャック…」

「ジャック、どこ?私よ、アニーよ。」
白い猫が古い塔に小走りで入って行った。

「おや〜その声はアンジェ?」
フサフサした大きな毛の固まりが応えた。

「ジャックふざけないで、あの子が勝手に付けた名前で呼ばないで!」
白い猫が怒りながら言った。

「アニー怒らないで、またピョン様からの催促だよ。まだビーンズ王国からの使者はみつからないのかってさ」

「またカエルのピョンピョンね!私達の目的は伝説の宝、宝が欲しいだけなのに。」

「しかたないさ、手に入れるまでの辛抱さ。都合のいいことにアニーはピョンピョンに気に入られてる、情報を手に入れるために言う事を気とかないとね。」

「やめて!気に入られてるなんて気持ち悪いわ。」

「まぁ〜怒らないで。とにかく時期を待つんだ!何かわかった事はあるのか?」

「そうね…最近転校してきた子がいるみたいだけど、ピースって名前の子。使者って感じじゃないわね。」

ジャックはリンゴをかじりながら話を聞いている。

「そう言えば今朝、2人の子が久しぶりに学校に来たとか話てたけど。ジュウとラグって子。ジュウは黄色の王国で父親の仕事を手伝ったとか、ラグも一緒に仕事をしてきたとか話してたわね…」

「黄色の王国で仕事とは何だ?」

「絨毯を作るみたいよ。でも黄色の王国って伝説の宝で聞いたことない?」

「ビーンズ王国の使者はタタミ王国に来る前は行方しれずで何処に居たのかわからなかったんだ。噂で黄色の王国にいたという噂があったんだが…。」

「黄色の王国で何やってたのかしらね…」
アニーは、考えながら言った。

「ところで…。使者ってあの子供たちにくっついてたら本当に現れるのかしら?

ジャックは応えた。

「この国のプリンセス、カオリの周りの行動には目を離さないように。きっと使者はこの王国の者に会いに来るはずだ。」

「そうね。又、夢にでも現れてみようかしら。」
アニーは笑いながら言った。

「黄色の王国に行ってた子達も気になるな…」
ジャックが話を付け加えようとした時、外から声が聞こえてきた。

「誰か来たぞ!まさか見られてたんじゃ…」

「そんなはずないわよ。」
話にみみをかた向けると、子供の声のようだ。

「この古い塔に来て見たかったんだ。」

「僕もだよ。とても謎めいてる。」

「オモテ!ジュウ君もまずいよ。見つかったら怒られるよ。」

「あの子達だわ。」
アニーは陰から外の様子伺っていた。冒険心に火のついた子供達がこの塔にやって来た様子だ。

「ジャック、早くここを出ましょう。」

「そうだな、急ごう。ピョンピョンには適当に報告しとくから後は頼んだよ!」

「大丈夫、任せて。」
二人は見つかっては困ると、慌てて外へ出ていった。

「もう遅くなるから帰ろうよ〜」
ウランは怒りながら叫んだ。


 古い塔で白い猫のアニーと大きなウサギのジャックと入れ違いに、オモテとジュウ、ラグがやって来た。その後ろをオモテに連れられるようにウランとピースも着いて来た。
黄色の丘にやって来た5人は入ってはいけないと言われてる古い塔の前に立って眺めた。

「やっぱり辞めたほうがいいよ。」

ウランはオモテの方を見て言った。あわせるようにピースも

「この古い塔の中に入るの?怖いよ、僕もやめたほうかいいと思うよ!」


そんな言葉はな聞こえるはずもないオモテとジュウ。
「ジュウ君、この建物の中はどうなってるんだろうね!何かありそうじゃないか?」
ジュウもワクワクしていた。
「オモテ君、僕も何かありそうな気がする!」

ラグも笑いを浮かべて、塔を見ている。

「ウランとピースはここで待ってて、誰か来たら教えてくれよ!」
オモテがそう言うと、ウランは乗り気ではない顔で、
「え〜っ!僕たち見張り?」

ピースと顔を見合わせた。それと同時に3人は塔の中へ入って行った。

「暗くなる前に帰ってきてよ!」
ウランが叫ぶとオモテは手を振りながら、姿が塔の中に消えていった。

「ウラン君、あの3人は大丈夫かな〜」
ピースが心配そうに言った。

「オモテは、こうゆうの大好きだからな〜父さんに知れたら又怒られるよ。」

「双子で、冒険好きな所はオモテ君だけなんだね…」
ピースはクスクス笑った。

「ウラン君は、塔の中が気にならないの?」

横目でピースを見ながら、
「ボクは慎重なんだ。だって中に入って何が起こるかわからないじゃないか。」

「ボクも怖いけど…塔の中には興味があるよ。ウラン君は怒られるのが嫌なんだ。」

ウランの顔をチラリと見るとウランは下を見てモジモジしている。すると、

「ウラン君、ピース君!」
草むらの向こうから声が聞こえた。

「カオリちゃんだ!」
ピースはカオリに向って手を振った。

「カオリちゃんどうしたの?」
ウランが聞いた。

「塔の中に入るのを止めに来たの。ターミーにばれるといけないからと思って。」

「塔の中に入るのを止めに来たの。ターミーにばれるといけないからと思って。」
「何か言われたの?」
ウランが聞いた。

「ずっと前に言われた事を思い出したの。オモテ君達はどこ?」

「それが…3人とも中に入ってしまったよ。僕達に見張りをさせてね!」
ウランが怒りながら言った。

カオリはそのまま塔の方へ走って行った。
「カオリちゃん、中に入るの〜」

あっという間にカオリは塔の中に消えて行った。

ウランとピースは顔を見合わせてあ然としている。


ご意見・ご感想はこちらまで

mail:omosiro★kudou-koumuten.net

※)★を@に変更してください



〜タタミ王国物語〜
第一章
〜タタミ王国物語〜
第二章

古い塔の中

古い塔の話

アニーとジャック

いつもの朝…?

白い猫とウサギ

白いハト

放課後公園で…

転校生

今年のクリスマスは…

あの日から7年

誕 生

序 章



メルマガ配信中
キャンの
一息入れなっせ〜

毎月2回配信

タタミ王国物語 top
工藤工務店 TOP
Copyright(C) 2011 Kudou All Rights Reserved